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【SKL】ねこねこにゃあにゃあ【剣遼】

2014.10.07 12:56|SS
 街ゆく人が皆一様に長袖に統一され、秋は深まり空気は次第に冬の様相を呈する季節。
 基地内では空調が効いているといっても、温度差によって体調が崩れるのを防ぐため外気温との差はせいぜい3・4度ほどであった。
 そんな中においても寒さというものを感じているのか疑問の格好の海動は、今日も肩と鍛えられた腹筋を晒した隊服を着用し、相棒の部屋へと足を運ぶ。
「真上ぃ」
 少々間延びした調子で相棒の名を呼ぶのは海動の癖であった。対照的に相棒は「海動」と歯切れ良く呼ぶ。低く落ち着いた声が自分の名を口にするのが、海動はいつだって好ましく思っていた。
「真上?」
 返事が返ってこないので首を傾げた。靴をドア先に揃えられたスリッパに履きかえ、部屋の主はいないのかと視線をぐるりと巡らせる。
 ベッドの近くまで来たところで、海動は気配と足音を殺した。真っ白な汚れひとつないシーツの上で、真上は静かに眠っていたからだ。カーテンが開け放たれた窓からはたっぷりと穏やかな陽光が絶えず射し込んでいる。
 右半身を横にし、まるで母親の子宮の中の胎児のような格好で、真上は安らかな寝息を立てる。その姿には戦場で敵と相対した時のような残虐で冷徹な雰囲気はどこにも見当たらない。遊び疲れて眠ってしまった子供のような無垢な顔に、海動はこっそり笑んだ。
「猫かよオメーは」
 猫はあたたかい場所を好む。太陽に照らされてあたたかくなった、このベッドのように。
 真上を猫に例えるなら、毛並のいい黒猫だろうか。素っ気なくて、懐かない猫。だけど時たま気まぐれに、甘えて喉を鳴らす猫。
 前者は当てはまるが、後者がまるで当てはまらない。いつでもツンケンとした態度を崩さず、まさに天邪鬼だ。だけどそんなところも、海動にとっては可愛らしく映っていた。だっこしてほしいのに、恥ずかしがって言えない子供のようで。
 海動は手袋を外して枕元に置き、ベッドの縁に腰かけた。誘われるように相変わらず跳ねた癖毛に指を通す。紫黒の髪はひなたのにおいと、手のひらに馴染む温度がしみついていた。
「遼」
 起こさないように小さな小さな声で、名前を呼んだ。それが意識下で聞こえたのか、真上の口元がほんの少しだけ緩むのが見えた。
 戦場で地獄を振りまく二人にはおよそ似つかわしくない光景であった。だがしかし、一旦戦場を離れれば彼らも人なのである。
 背中を預け合う相棒でありながら、いずれは殺し合いをする相手であり、そして何より誰より、愛しい存在。
 眠る黒猫のそばに、狂犬が寄り添うのはすぐ後のお話。


――――――――

可愛いタイトルを無意味につけたくなる病気にかかっております
こんな穏やかな昼下がりもいいかなって
真上ちゃんは猫だと個人的に思っております
読んでくださってありがとうございました
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スパロボ大好きなゲーマー腐女子。清く正しく変態をこじらせ中。

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